選手に「痛い」と言われたとき、トレーナーが最初にやる3つのこと:見る・分ける・つなぐ
選手や会員に「ここが痛い」と言われたとき、トレーナーが困るのは「治してあげたい」と「自分の範囲ではない」の間で止まることです。治療はトレーナーの仕事ではありません。しかし、痛みを見て、分けて、つなぐことはトレーナーの仕事です。この3つの手順を持っていれば、止まらずに済みます。
1. 見る:いつ、どの動きで、どの範囲で出るか
最初にやるのは、触ることではなく聞くことと見ることです。
- いつから痛いか(今日か、前からか)
- どの動きで出るか(しゃがむ、走る、着地、特定の方向)
- その動きの、どの範囲で出るか(途中だけか、ある角度から先か)
- 腫れ、熱感、変形、しびれがあるか
4つ目は「つなぐ」の判断に直結します。後述します。
2. 分ける:途中だけか、ある角度から先か
3つ目の問い「どの範囲で出るか」は、痛みの見方を2つに分けます。藤井翔悟の膝痛の指導動画は、治療家向けにこの分け方を説明しています(出典1)。
| 痛みの出方 | 背景として考えられること(動画の説明) |
|---|---|
| 動きの途中だけで出て、過ぎると消える | 関節の滑りが途中で引っかかっている |
| ある角度までは大丈夫で、そこから先がずっと痛い | 短縮した筋が、ある長さを超えて伸ばされている |
トレーナーがここで行うのは、この2つを分けて記録することまでです。原因を断定したり、治療したりはしません。しかし、この記録があると、医療者につないだときに情報の質が違います。「膝が痛いそうです」と「しゃがむ途中の、ある角度だけで出て、過ぎると消えるそうです。腫れはありません」では、受け取る側の最初の判断が変わります。
動画では「なぜ痛みが出ているかは、関節のこと、筋肉の起始停止、運動のことを知っていると分かってくる」と説明されています(出典1)。トレーナーが解剖と運動を学ぶ意味は、治療のためではなく、この「分けて記録する」精度を上げるためです。
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LINEで無料動画を受け取るセミナーの日程を見る3. つなぐ:赤信号があれば、迷わず医療機関へ
次のどれかがあれば、トレーナーの範囲で扱わず、医療機関へつなぎます。
- 外傷の直後(転倒、衝突、着地での受傷)で、腫れ・熱感・変形がある
- 体重をかけられない、関節が安定しない
- しびれ、力が入らない、感覚が鈍い
- 安静にしても痛みが強くなる、夜間に痛む
- 原因になる動きが思い当たらない
- 数日たっても変わらない、悪化している
赤信号がない場合でも、「分ける」までで止め、治療家や医療者と連携します。トレーナーが一人で抱える必要はありません。
「分からない」で止まらないための記録の型
選手に言われてから、次の順で30秒で記録します。
- 部位
- いつから
- どの動きで
- 途中だけか、ある角度から先か
- 腫れ・熱感・変形・しびれの有無
- 赤信号の有無 → つなぐかどうか
この6行が揃えば、選手に「今日は〇〇で痛みが出ていて、腫れはない。トレーニングはこの動きを外して、△△先生に見てもらいましょう」と、止まらずに言えます。
トレーナーが解剖と評価を学ぶ理由
繰り返しますが、治療のためではありません。「分ける」精度を上げ、「つなぐ」判断を早くし、医療者と同じ言葉で話すためです。当社のセミナーにはトレーナーの受講者もいます。評価の考え方が自分の現場に合うかは、無料動画で先に確かめられます。
まとめ
- トレーナーの仕事は、痛みを「見る・分ける・つなぐ」こと。治療ではない
- 見る:いつ、どの動きで、どの範囲で、腫れ等の有無
- 分ける:途中だけか、ある角度から先か、を記録する
- つなぐ:赤信号があれば迷わず医療機関へ
- 6行の記録の型で、「分からない」で止まらない
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LINEで無料動画を受け取るセミナーの日程を見る- 藤井翔悟「膝の痛み」指導動画の文字起こし(可動域の途中だけで出る痛みと、ある角度から先で出る痛みの区別。「なぜ痛みが出ているかは、関節のこと、筋肉の起始停止、運動のことを知っていると分かってくる」):株式会社藤井翔悟事務所 内部資料